轻松读懂日语经典作品
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页
ここでまた、恥かしい打開け話をしなければならぬのだが、わしが退院をして二ヶ月余りたった時分のことだ。十日程瑠璃子の気分のすぐれぬことがあって、今日は少しよいと云うものだから、その晩は、久しぶりに彼女の部屋へ行って見ると意外にも、瑠璃子は身を堅くして、わしを拒むではないか。
「コレ、どうしたのだ。さてはお前は、僕をいとわしく思いはじめたのか」
と、冗談に怒って見せると、あれはさも悲し相な顔をして、
「今まで隠していましたが、わたしはもう、このお邸に置いて頂く訳には参りません」
と、わしのど胆を抜く様な、飛んでもないことを云い出すのだ。
わしはもう、泣き相になって、何故そんなことを云うのかと、様々に尋ねて見ると、散々云いしぶったあとで、あれは、とうとうその理由を打開けた。打開けて置いてサメザメと泣き伏した。
だが聞いて見ると、若い女なんて、そんな下らないことで、これ程の騒ぎをやるのかと、おかしくなる程、些細な事柄であった。瑠璃子は、数日前から身体に腫物が出来て、少しも直らないというのだ。
「どれ、見せてごらん。そんなこと何でもないじゃないか」
わしは、又しても甘い気持になったものだ。