轻松读懂日语经典作品
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页
あなたなれば、大牟田家の縁者ではあり、御年配といい、全く信頼出来ると思います。どうか、僕の一生のお頼みを聞いて下さい」
川村もさるものだ。こうしてわしに頼んで置けば、社交界の狼連を防ぎ得るばかりでなく、わし自身が瑠璃子に思いをかける自由をも奪うことが出来るのだ。川村にしては、いくら老人だとて、瑠璃子の美しさでは油断がならぬと思ったことだろう。それに、瑠璃子が又、いやしい拝金宗と来ているのだ。
「よろしい、君はわしの親友であるばかりでなく、懐かしい大牟田敏清の唯一の友であった。わしは敏清の為にも一肌脱ぎますよ。彼の妻であった瑠璃子と、彼の無二の親友であった君とが一緒になるというのも何かの因縁だろう。地下の敏清も定めし喜んでいることでしょう。わしはね、川村君、君が敏清に尽したと全く同じ親切を君に尽す積りですよ。全く同じ親切をね」
わしはこの最後の言葉に又力を入れて云った。川村が尽したのと全く同じ親切というのは、とりもなおさず、妻を盗むことだ。地底に生き埋にすることだ。これが川村の友に尽した親切であったのだ。
わしの異様な言葉を聞くと、流石に川村奴変な顔をしたが、まさかこのわしが当の大牟田敏清と悟る筈もなく、わしの快い承諾を感謝し、なおもくどくどと瑠璃子のことを頼んだ。