轻松读懂日语经典作品
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
「冨士」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年4月~1932(昭和7)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 页
外に宝石類も幾つか風呂敷包の中へ忍ばせて来た。
他人の財宝とは云え、相手は盗賊だ。しかもわしの家の墓地で発見したものだ。気はすまぬけれど、返せというものもなかろう。それに私慾で盗むのではない。天に代って復讐の使命を果す為に借用するのだ。侠盗朱凌谿もわしを許してくれるであろう。
長崎に上陸すると、市内第一の洋服店で、出来合ではあったが、最上等の洋服を買い求め、なお附近の雑貨店でシャツ類、帽子、靴、鞄に至るまで取揃え、上流紳士の身なりをととのえた。
身なりが出来ると、わしはその日の内に上海行きの大汽船の一等船客となった。
上海では第一流のホテルを選んで宿泊し、ボーイなどにも充分の祝儀を与えて、贅沢な部屋を借り受けた。南米帰りの大金持で、日本への帰途、この地に立寄ったというふれ込みだ。
名前も大牟田ではない。里見重之と改めた。これはわしの母方の親戚に実在した人物で、家柄は仲々よかったのだが、非常な貧乏で、親族つき合いも出来ぬ所から、わしの子供の時分奮発をして単身南米に渡り、それ切り音信が絶えて、彼の地で死亡したと信じられている人だが、それは実は死んだのではなくて、莫大な財産を作り上げ、故郷へ帰って来たという筋書である。