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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁
四
――ことにその数学……といったところでわたしの場合にあってはまだ算術だったが、……のどんな問題でもを苦もなく解き去ることにおいて、技、神の如きものがあった。
四
「……たまにしか俥の音も響かず、いたって人通りに乏しい狭い往来ながら、そのせいかみ上げる空の感じにどこかカラリと放たれたものがあって、そこに八幡さまの境内の大きな銀杏……一ト際目立つその梢が飽くまで高くそそり立っていた。――冬、時雨が来て、その黄に染った落葉が用捨なく道のうえに散りしくとそれがわずかな特徴の(という意味は、そうした格子づくりのうちばかりの、外に商人やといったら数えるほどしかない)今戸焼を売る店々が急にその存在をはっきりさせた。白い腰障子、灰いろの竈、うず高くつまれた土細工のとりどりにすぐその裏をながれる隅田川のしずかな水の光があかるくさむざむと匍上った。」
かつてわたしは「続吉原附近」という文章のなかにこのあたりの思いでを書いてこういった。
「一ト言にして古風な人情――古風な人情をもった町だった。しかししずかな、哀しい、つつましい往来だった。」
こうもわたしはいった。――実際その、古い、格子づくりの、二階をもたない平屋建の、くたくたに疲れた瓦屋根。