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あさくさふどき

浅草風土記

久保田 万太郎

線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁

青空文庫

五

銀行といえば、手近に、並木通りの浅草銀行(後に豊国銀行)の古く存在するばかりだったのである。”

と、「雷門以北」にしるした位のものの、ぼくの田原町を去ったのは大正三年の十月だったが、いまから四昔まえにあっては、実、以て、そうした嘘のようなていたらくだったのである。

といっても、ぼくには、広小路の……というよりは浅草のこの経済的発展に、遽かにおどろくことができないのだが……

いまの協和銀行のあるところにあったのが、川崎銀行である。

五

明治四十年にでた、東京市編纂の『東京案内』は、以上の“広小路”の町々、及び、それに近接した、並木町、茶屋町について、つぎのように説明している。

“並木町――古へ、松、桜、榎等の列樹、路を夾でありしを以て名くと云ふ。慶安頃まで、樹間に草舎ありて、草履草鞋など販しのみなりしが、後漸く人家稠密に及び、遂に今の街衢をなす。西方、西仲町続の処を、里俗大仏横町と云ふ。又、町の東、材木町に通ずる小路を犬糞横町と曰ひしと云ふ。”

“茶屋町――本と、並木町の内也。寛永十九年、浅草観音堂焼失し、正保四年、再造の時、堂の南方を火除地となし、雷神門内に在りたる町家を並木町に入る。