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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁
五
貴女も寂しい時は本を読みなさい。救われますよ。」
顔の蒼い青年八百屋は、そう言って、翻訳ものをそっと措いて行った。
五
最初おいて行ったのは、涙香の訳にかかるユーゴーの「噫無情」で、「こういうところから始めたらいいがすぺい。」
とそう言って、手垢のついたその翻訳書を感慨ふかそうに頁を繰っていた。
寿々龍の銀子は座敷も暇を喰うようなことはなかったにしても、倉持に封鎖されてからは、出先でも遠慮がち――というよりも融通の利く当てがなくなったところから、野心ある客にはたびたびは出せず、自然色気ぬきの平場ということになり、いくらかのんびりしていられるので、読もうと思えば本も読めないことはなかった。大抵の主人は抱えの読書を嫌い、厳しく封ずるのが普通で、東京でも今におき映画すら断然禁じている家も、少なくなかった。芸者の昼の時間もそう閑ではなく、主人の居間から自分たちの寝る処の拭き掃除に、洗濯もしなければならず、お稽古も時には長唄に常磐津、小唄といったふうに、二軒くらいは行き、立て込んでいる髪結いで待たされたり、風呂に行ったりすると、化粧がお座敷の間に合わないこともあり、小説に耽れば自然日課が疎かになるという理由もだが、元来が主人が無智で、そのまた旦那も浪花節のほかには、洋楽洋画はもちろん歌舞伎や日本の音曲にすら全然鉄聾