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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁
「梢さんが今これを先生に差し上げて下さいとおっしゃったそうで。」
庸三が包装の隙間から覗いてみると、萎びた菜の花の葉先きが喰みだしていて、それが走りの苺だとわかった。――枕元においたまま、彼はまたうとうとした。いつかも彼女は田舎へ帰る少し前に、自動車で乗りつけて、美事な西洋花の植込みを持ち込んで来たものだったが、それがだんだんすがれて行く時分に、彼は珍らしく田舎の彼女に手紙をかいた。
「でも先生、あれは確かに先生のラブ・レタよ。」後に葉子に言われたものだったが、そんなこともあったにはあった。
葉子が一色と逢っている場所は、行きがけの口吻でほぼ見当がついていたが、今夜帰るかどうかは解らなかった。庸三は苺にあやされて、子供が母を待つように大人しく寝ていたが、不用意な葉子の雑誌や書物や原稿の散らかったあたりに、ある時ふと一色の手紙を発見したことがあって、いつでも忙しなく葉子から呼出しをかけていることが解っているので、夫婦気取りの二人のなかは大抵想像できるのであった。
しかし葉子は約束の時間どおり帰って来た。
「すみません。あれからずっとお寝っていらして。」