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ちめいのけんきゅう
地名の研究
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《地名の研究(ちめいのけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 176,308 字 · 347 頁
という。すなわち炊具一つ負わせて居村を追い出すことだ。樋口勇夫氏は筑後久留米領で、乞食をツウカルイすなわち笈負いというと私に教えられた。察するところカルウはカラム・カラグなどと語原を同じくし、縄の類で背に結い附けることであろう。江戸でも以前物を背負う労役者を軽子と呼んでいたことは、牛込の軽子坂などの例が示している。『言海』にカルコは簀の種類で軽籠の義なるべく、これをもって物を運ぶゆえに人をもまたカルコといったのだろうとあるが、単にカルイ子とも解せられぬことはない。長門阿武郡川上村字三荷カルイ、羽後仙北郡淀川村大字中淀川字殻笈沢などの例も幾分右の想像を助けるようだ。峠路の取掛りにこの地名の起った事由は、つまりその地までは馬の背で荷物を運び来たり、それより上は馬が通わぬゆえ、その荷を小さく解き分け人の背で山を越す支度をするために、自然に足溜りとなり村里なども起立したので、同じ碓氷の東麓にもある坂本の宿、古くは郷名にも存する坂梨(坂足の約)、さては馬返しという休茶屋のごとき、いずれもこの事情のためにできた地名である。岩代河沼郡片門村の支村軽沢が、越後街道を挟んで十三戸山下に住し、寛文中まで別村であったこと(新編会津風土記)、陸前加美郡小野田村の軽井沢が、七百米内外の二つの山の間にあって羽前との境山に近く、旧藩