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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《旗本退屈男(はたもとたいくつおとこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 240,656 字 · 478 頁

青空文庫

粗酒一献とあるのです。

拙邸ともある。

「わッははは。黒鍬組の親方、漢語を使いおるのう。拙邸と申しおるぞ。使いはいずれじゃ」

「お玄関に御返事お待ち申しておりまする」

「今行くと伝えい! 乗り物じゃ。すぐ支度させい!」

「御前、おひとりで?」

「そうだ。わるいか」

「でも、もし何ぞよからぬ企らみでもござりましたら――」

「企らみがあったら、ピカリと光るわ。江戸御免の眉間傷対手に治右ごとき何するものぞよ。あとで菊路とおいちゃいちゃ遊ばしませい。わッははは。六日待たすとはしびれを切らしおった。いつ罷りかえるか分らぬぞ」

乗って本所長割下水を出かけたのが日暮れどき。

番町の治右衛門邸へ乗りつけたのが、かれこれもう初更近い刻限でした。

成上がり者ながら、とにもかくにも千石という大禄を喰んでいるのです。役がまたお小納戸頭という袖の下勝手次第、収賄御免の儲け役であるだけに、何から何までがこれみよがしの贅沢ぶりでした。

「早乙女の御前様、御入来にござります」

「これはこれは、ようこそ。さあどうぞ。御案内仕りまする。さあ、どうぞ」

ずらずらと配下の小侍が三四名飛び出すと、下へもおかぬ歓待ぶりが気に入らないのです。