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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁
それでともかくこのロオマンスに大詰が来たことも呑みこめた。
庸三が葉子につれられて、初めて逗子へ行っていたのは、引き移ってから四五日してからであった。
庸三は実は行くのも物憂いような気がしていたが、その家へぜひ来て見てもらいたいような様子なので、つい行く気になった。これからの季節には、あの辺の海岸も盛るころで、あのホテルに若い人たちも集まるはずであった。前から家をかりている若い流行作家のあることも知っていたし、長男の同窓でブルジョアの一人息子である秀才のマルクシストの邸宅のあることも解っていた。葉子の家がそれらの青年たちにとって、気のおけない怡しいサルンとなることも考えられないことではなかった。ぼろぼろになった恋愛を、今さらそんな処まで持ち廻るのも恥ずかしいことだったし、子供たちから遠く離れているのも不安だった。
葉子は借りた家の間取りや、玄関の見附き庭の構図などについて、嬉しそうに説明していた。
「それが五十円なの。安いじゃないこと。」
そんな家を借りて、どうするのだろうと、小心な庸三は心配になった。連載ものを書いている間はいいとしても、それがいつまで続くものでもなかった。