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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控 猿回し(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 125,671 字 · 252 頁
お前と百兵衛親分が、いつまでも言いあってもわからねえ筈だ。この死骸は、臼で打たれて死んだのじゃ無いよ」
「本当ですか、親分?」
八五郎は胆を潰してしまいます。
「見ろ、顔半分から首筋を、臼に打たれて滅茶々々になって居るが、その臼に打たれた傷の下に、紐の跡があるだろう」
「?」
「一度紐で絞り殺して置いて、その上から臼を落したのだよ」
「へェ、そんな事があるんですか、親分」
八五郎はまだ腑に落ちない様子でしたが、やがて外科の名医石順老がやって来て、平次の言葉は立派に証拠立てられました。
「あいつは絞り殺されたのだ――首筋に紐の跡があるばかりじゃ無い、肛門が開いて居るから間違い無い――さすが銭形の親分、良いところへ眼が届いたよ」
石順老は首を振り振り帰って行くのです。
「驚いたね、親分」
「ところで、此男を、音も立てさせずに、絞り殺せるのは誰だと思う」
平次は八五郎の顔を見ました。
「草角力の大関だった勇太郎だ。その首をチョイと絞めて殺すのは、容易の力じゃありませんね」
「お前もそう思うか」
「へェ、その勇太郎より弱い奴には、出来ない芸当じゃありませんか」
「この家の中に、そんな力持は居るかえ」