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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Read 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 144,106 characters · 292 screens

Aozora Bunko

「お前が悪いのだ、なんだってこんなことをさせたのだ。今時の畠の中からはみみずも出るわけはない。さアなんとか言えッ」

振り向くと半三郎の後ろには、打ちのめされたように、若い娘がふるえております。先代の娘――八五郎に謎を解かせたおさめというのでしょう。青白いが品の良い顔、打ちしおれておりますが、顔をあげるときっとした英智が眉の間をはしって、美しくはあるが、何さま一とかどのものを感じさせる娘です。

「さア、皆様、叔父さんがあんなに申します。どうぞ帰って下さい、そこにはもうなんにもありません」

という声も、半三郎にしいられて、幾度くり返したことか、もうたえだえです。

「いや、つづけてもらおうか、その石灯籠の下にはまだくわは入らない、灯籠はどかせてもいい」

こう声を掛けたのは平次です。ここへ飛込んで平次は、野次馬の群れを前から手をあげてこう言うのです。

「お前はたれだ、なんのわけがあって、そんなことを言うのだ」

「明神下の平次だよ。――さア、皆の衆、もう一といき」

石灯籠は引っくり返されました。四つ五つ提灯が集まりました。石灯籠の真下を二尺三尺と掘り下げると、

「あ、出た」