Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Read 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) by 国枝 史郎 (くにえだしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 188,242 characters · 380 screens

Aozora Bunko

「智恵がねえな、一色とは」

「はい智恵はございませんとも」

「どんな色に染めるんだい」

「燃え立つような真紅の色に」

「つまり血のような色にだな」

「はいはいさようでございます」

「蘇芳か何かで染めるんだな」

すると小四郎は笑ったが、

「はいさようでございますとも」

「おや変梃に笑やあがったな」甚太郎は黐棹を取り直した。

「いったい何が可笑しいんだ?」

「何も可笑しくはございません。何も笑いは致しません」

「いいや笑った。確かに笑った。ふざけちゃいけねえ、ふざけちゃいけねえ。俺を盲目にするつもりか。こうこう俺のこの眼はな二つながらちゃんと見えるんだぜ。節穴だと思うと間違うぞ。さあ吐かせ何を笑った?」トンと石突きで床を突いたが、「それともたって吐かさねえなら高坂流の黐棹槍、もう一度使ってお眼にかけるまでさ。それも今度は本式だ。汝が土手っ腹へ突っ込んで、風車のようにぶん廻わしてくれる」

ピタリと中段へ構えたものである。

小四郎はやにわに飛び上がったが、またベッタリ床へ坐り、

「はい笑いました。確かに笑いました。……あなたは苦手でございますよ。槍だけはご勘弁願います。……いや全く眼もあてられない。