Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Read 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 144,106 characters · 292 screens

Aozora Bunko

来い、八」

「可哀想だが、やりますよ、親分」

手ぐすね引いて、お雪の部屋というのへ向った二人。

「待って下さい」

暗い廊下で、ハタと行手を阻まれました。

「誰だい」

「私でございます」

「手代の文三郎さんか、何の用事だ」

平次の言葉は冷たくて厳しい調子でした。

「御主人と番頭さんを殺したのは、この私です。お雪さんなんかじゃございません。私を縛って、どこへでも突出して下さい」

「…………」

平次は黙って突っ立ったまま、遠灯りにすかして激情にふるえる若者の顔を見やりました。

「そして、五千両の御用金は、お願いですから、お雪さんの手から、勘定奉行へ還させて下さい」

文三郎は板敷の上へヘタヘタと坐って、両掌を合せているのでした。

「よしよし、よく言ってくれた。――ところで、主人は何で殺したんだ」

と平次。

「按摩の鍼で殺しました」

「その鍼はどこから手に入れて、どこへ隠した」

「…………」

「番頭の喜助はどんな意趣で殺した」

「…………」

「どうして殺した」

「匕首で殺しました」

「その匕首はどこへやった」

「…………」

「おいおい嘘を吐くなら、もう少し器用に吐くものだよ。――本当の事を教えてやろう。