Japanese reading practice

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Read 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 141,130 characters · 288 screens

Aozora Bunko

「えッ?」

「だから隠すなと言ってるじゃないか、――その時江戸へ持って来た大事な書き物があったはずだ。それをこの土竈に隠してから、何年になるんだ」

平次の問いは恐ろしく穿ったものです。

「そんな事を、――知るものですか、親分」

お秀の調子は少し自棄になります。

「俺は、お前が――変な人間が付け狙うから、八五郎を用心棒に貸せと言って来た時、誰にも知らさずにここへ来て、お前の父親にも当ってみたが、どうしても打明けてくれねえ。仕方がないから店の表裏を覗いたり、お前たち親子を跟けたりする浪人者親子と、もう一人別口の若い男があることを見届けて、その方から捜ってみたんだ。これは素姓を包むわけでもないから、すぐ判ってしまったよ。一人は芸州浪人鞍掛宇八郎――こっちに死んでいる浪人者だ。その娘のお京――それからあとの一人の若者は、同じ芸州の浪人砧右之助――」

「…………」

平次の話の行届くのにお秀もさすがに胆を潰した様子です。

「二人の素姓が判ると、浅野様御留守居に願って、十二年前の経緯が手に取るごとく判ってしまった。話して聴かせようか、お秀」

検屍の役人の来るまでは、死骸に手の触れようもありません。