Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Read 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 137,868 characters · 278 screens
平次は落着払ってその下を見ると、底の方へ押込むように入れてあるのは、一口の匕首、抜いてみると、思いの外の凄い道具です。
ちょうどその時、仲間の鉄がノソリと帰って来ました。一と目様子を見てとると、
「何をしやがる、――誰に断って人の物に手を掛けるんだ」
平次の襟髪へ手を掛けます。
「野郎ッ、御用だぞッ」
ガラッ八はその後ろから飛付きました。
「何をッ」
振り返った鉄の拳が、思い切りガラッ八の頬桁に鳴ります。
「神妙にせい、御用だぞッ」
猛然と掴みかかる八五郎、二人は一瞬動物のように争いました。が、とうとう八五郎が勝って、鉄を膝の下にギュッと引据えます。
黙ってそれを見ている平次。
「親分、縄を、縄を」
ハネ返そうとする鉄を押えて、ガラッ八は必死と争い続けるのです。
「もういい、縛らなくたって、話は解るだろう、――鉄とか言ったな、――お前の留守に押入を見て悪かったが、御主人のお許しがあったんだ」
「…………」
ガラッ八の手を離れると、鉄はプリプリしながら起き上がりました。二十七八の丈夫そうな男ですが、渡り仲間のすれっ枯らしなところがなくて、なかなか良い印象を与えます。