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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Read 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 137,868 characters · 278 screens

Aozora Bunko

三

「そんな事が判るものか。周助は屑屋だぜ、潰しのつもりで買ったかも知れないじゃないか」

お神楽の清吉は口を容れました。

「いや、商売ずくで買った品なら、これ一つだけ埃を払って、丁寧に棚の上に置くはずはない、――胎内仏があるかも知れない、台座を外してみるがいい、八」

銭形平次に注意されて、子育て観音の台座を外すと、中から落ちたのは、半紙に包んだ小判。

「あッ」

「そんな事だろうと思ったよ、何枚あるんだ」

「百両ありますよ、親分」

ガラッ八は小判を勘定しながら、恐ろしく酸っぱい顔をします。

「こいつは面白くなりそうだ。八、もう少し周助の身許を洗ってくれ。どこの生れで、どこから来た人間か、知合はないか、一年に一度でも往来する人間はないか、周助から金を借りてる奴はないか、子供や女房はなかったか――そんな事を洗いざらい捜すんだ」

「ヘエ――」

八五郎は糸目の切れた凧のように飛んで行きました。極り悪くモジモジしていたお神楽の清吉も、それに続いたことは言うまでもありません。

三

「誰だい」

「…………」

「お前は、誰だい、何か用事があるのか」

平次は草履を突っかけて飛んで出ると、逃げ腰になった娘を呼止めました。