Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Read 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) by 三上 於菟吉 (みかみおときち) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 344,083 characters · 673 screens

Aozora Bunko

かごが、荒っぽく、ぐっと上る。

そして、突然、飛ぶようにいそぎ出すのだった。

お初は、かごの中で、青ざめて、唇を噛んだ。

――おいらも、焼きがまわったよ――あんな男女みてえな奴にいのちまでもと惚れ込んだのも、只ごとじゃあなかったんだ――だが、じたばたしたってはじまらねえ。もともと、泥棒になり下ったのも恋のため――二度と、男なんかに見向きもすめえと思っていながら、こんなことになったのもめぐりあわせだ――ただ、このまま、闇太郎の野郎なんぞに、おッ伏せられているおいらじゃあねえ筈だ。お初ちゃん、落着いて、一思案というところだぜ。

かごは、なおも一散に走っていた。かご脇を二、三人の男が、駆けている足音も聴えていた。

堕ちよ! 魂

一

雪之丞は、今は、目的の遂行にいそがねばならぬのだった――追ッかけられるような不安が、いつも落ちつきを失わぬ彼の胸をも、いらいらと焦り立たせるのだった。

師匠すじの、先輩たちは、絶えず、狽てふためくな、しずかに、しっかりと進んでゆけと、忠告するのだが、闇太郎だけは、そうはいわなかった。あまり大事を取っているうちには、どんな邪魔がはいらぬものでもないと、いってくれた。