Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Read 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) by 三上 於菟吉 (みかみおときち) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 344,083 characters · 673 screens
四
四
――ふうむ、先きの奴をまぜて、一人、二人、三人、四人、付いたな。気息の使い方で見ると、一通り、武芸の心得もある奴らしいが――
雪之丞は、とにかく、何かしら、陥し穴のようなものに、落ち込んでしまったと、ハッキリ思い知った上は、気を強めて、難場を切り抜けるだけの心支度をする外はないのだった。
――いつもいつも、一松斎先生や、孤軒先生から伺っていた通り、敵を知り、おのれを知らねば、闘争に勝つことは出来ぬ。まず以って直接に自分にまつわっている人々が、どこまでの用意をして置くかを調べて、それによって、背後の立て物を見抜くが第一――
四人も、ここまで出張っていて、なお、手を出さず、ひそまり返って、乗物の進むにまかせているので、想察すれば、このかごの行く先きにこそ、この人達をあやつり使っている大物が、待っているとしか思われなかった。
――やはり、三斎隠居であろうか? 浪路どのの失踪が、わしの細工と見て取って、糾明するつもりでもあるのであろうか? どうも、そうは思われぬが――隠居は、わしをまだまだ信じ切ッている。不思議な、非理なわけだが、わしほどの芸を持ったものに、女を奪って隠すような、いやしい私心は無いものと信じ切っている。