Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Read 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) by 三上 於菟吉 (みかみおときち) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 344,083 characters · 673 screens

Aozora Bunko

ほ、ほ、ほ、ほ。あたしのお礼は気に入りましたかい? 芝居がかりで、面白いと、感心してくれますかい? 太夫さん! 親方さん! ええ大坂表、大江戸切っての、人気者の女がたさん! おまえさんが、怨霊どもに奪られたら、天下の御ひいきの御婦人がたは、ずいぶんがっかりするだろうねえ――さあ、あたしにばかりしゃべらせていないで、雪之丞さん、何とかお言いな。浮世での、台詞の言いおさめになるのだろうから――」

お初の毒舌は、雪之丞へよりも、闇太郎の癇癪に、ぴんぴんと響いて来るのであった。

七

さんざ、毒舌を弄しつくしたお初は、ますます雪之丞に迫り近づいて、掌にもてあそぶ短銃を、ひけらかすようにして見せながら、

「さあ、技倆自慢のおまえさん、何とか、すばらしいところを見せたらどう? 気合の術から、白刃とり、お芝居や講釈で、評判だけを聴いている、武芸の奥義を、あらん限り知っているような、おまえさんじゃあないか――高々、この弱むしおんなの、手の中のいたずら物が怖いといって、そんなにすくんでしまわなくったっていいよ。大方、さすが、人をそらさぬ人気渡世――わざと怖ろしがって見せているのであろうが――ほ、ほ、ほ――これだけいっても、飛びついて来ないので見ると、ほんとうに怖気をふるっているのかねえ――」