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Japanische Klassiker mit Furigana

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おばけのしょうたい

おばけの正体

井上 円了

Lesen Sie おばけの正体 (おばけのしょうたい) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.925 Zeichen · 145 Bildschirme

Aozora Bunko

翌朝、所用ありて紙入れの金を出ださんとして開きみれば、なんぞ図らん、謝金はことごとく木の葉ならんとは。怪しみて前夜の道をたどりてその家に至りみれば、車輪の跡は歴々存すれども、家屋はあらずして茶園のみ。しかして、その茶園に狐の赤子が死していたりという。ここにおいて、某は前夜のうどんを思い出だし、家にかえりて吐剤を服し、もってその吐出物を検するに、まさしくうどんなりしに相違なし。もっとも、その前日とか、その近傍に婚礼ありて、打ち置きのうどんが紛失せしことありし由なれば、けだし、このうどんなるべし。当時この話遠近に伝わりて、人はみな「某は狐に魅されたり」と称せり。

この雑報を読みたる人より、余に質問を寄せられたれば、余はその開業医の方へ照会してみた。その書面および往復の大要は、左のとおりである。

このことにつき寄書者は疑問を掲げて曰く、「狐は果たして人を魅するの術を知るや。果たして狐に人を魅するの術ありとせば、いかなる術に候や。心意にいかなる変化を受くれば、かく狐を人と見、茶園を立派なる大家と見受くるに至るものに候や。魅術の心意上に及ぼす変化のぐあいを承りたし」