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Japanische Klassiker mit Furigana

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おばけのしょうたい

おばけの正体

井上 円了

Lesen Sie おばけの正体 (おばけのしょうたい) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.925 Zeichen · 145 Bildschirme

Aozora Bunko

第七一項 川亡魂

進退ここにきわまりながら叫べども応ずる人なきに、ぜひなくはうがごとく坂を攀じ登りはじめたるが、たちまち昏絶倒臥して死生を弁ぜざるもの十数分、その前は時候にも似ず全身すこぶる熱暖なりしが、このときに至り、はじめて野嵐の冷え渡るを覚えて目をさまし、それより千辛万苦して、わずかばかり離れたる横道の茶店にたどりつき、蕎麦数椀食したれば、身心はじめてわれにかえり、寒さも相応に感ずるごとくなりて、まずつつがなく郷里に帰着したり。これすなわち「だらし」に取りつかれたるものなるが、里俗には、なにか食物を携えおればこの魔にかからずといえど、実際においては、鰯売りの男が鰯の傍らに昏倒したる例あり。その他、数人の同行者が一時におかされたるの例あり。結局は空腹に乗じて、人体内に一種強力の麻痺を与うる空気のためなるべし、云云。

この実験談に照らすに、空腹のときに多く起こるは、高山の空気の人身に影響せること明らかである。これ温泉山に限るにあらず、諸国の高山には往々聞くことである。

第七一項 川亡魂

世に海亡魂、川亡魂と唱え、海や川にて死したるものの霊魂が、水中に現出することありと申しておるが、武州秩父郷にて夜、網を携えて荒川の漁に出たものがあった。