Japanische Klassiker mit Furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lesen Sie おばけの正体 (おばけのしょうたい) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.925 Zeichen · 145 Bildschirme
第一一三項 狐の偽物
相田酒造店にては、前夜の客が置いていった十円札、確かにここに置いたのに、あの家からいくら取り、この家からいくら持ってきた、そうすると十円たりないが、ハテどうしたことだろうと金庫の中をくまなく探せば、十円札の代わりに木の葉一枚! この話がだれ言うとなく広まるや、変に思った同士の医師と酒屋が寄り集まって、医師が五円札を見せると、その札は確かに私の所で昨晩釣りにやった五円札、これはただごとじゃないと、医師と酒屋が相談して昨夜の所をたずねた。
うろ覚えの道を、医師がさきだちにて車の轍を慕って来たのが、昼さえ人の足跡なき上野村大字宇留野の山奥にて、宇留野原と称する所に一枚のむしろあり。その上にはコハいかに、生まれたばかりの狐の子二匹! このことを聞き伝えたる付近の村々にては、「お稲荷様が御難産のときは人間も難産するそうな。狐供養をしましょう」と寄り集まって、昨今餅をつき供養をしている由なるが、まずまず眉に唾をして聞く話なり。
これも後に聞けば、やはり虚説、訛伝であったそうだ。
第一一三項 狐の偽物
ある人の書いたものの中に見えていたが、尾州名古屋、某氏の別荘に奇樹、怪石相連なり、園中に広き池ありて魚鳥ここに集まり、楼広くして高く、風景絶佳の仙境である。