Japanische Klassiker mit Furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lesen Sie おばけの正体 (おばけのしょうたい) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.925 Zeichen · 145 Bildschirme
第一二三項 箱根の天狗
旅宿帳には薩州人と記してある由。もし、維新前にかかることあらば、必ず天狗の文字と定められ、その老人は天狗とみなされたであろう。伊東温泉の日蓮宗の寺に天狗の詫証文があるが、これは梵字に似ておる。その他にも天狗の書を秘蔵せるものがある。余も一枚所持せるも、みな天狗の所為にあらずして、人為に出ずることは疑いないと思う。
第一二三項 箱根の天狗
天狗談は全国いたるところにあるが、その多くは自然に起こりたる現象を誤り認めたのである。その他は人が故意にこしらえたる話である。余がかつて箱根において聞いた事実談を挙ぐれば、今より三、四十年の昔の出来事なれども、一月の寒中、青年輩十人余り相伴い、鉄砲を携え、獣猟に出かけたことがある。箱根では最も高い峰を駒ヶ岳と申す。この峰へ登りたるに、絶頂に近き所に大盤石がある。その上に大なる男が立ちながらにらんでいる。一行の青年の方では、この寒中、かの山頂に人間のいるべきはずはない、これ必ず天狗であろう。従来、駒ヶ岳には天狗が住んでいると聞いていたが、彼がまさしくその天狗であると衆説一致し、互いに恐怖心を起こし、今日は猟をやめて帰ろうということになった。