Japanische Klassiker mit Furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lesen Sie おばけの正体 (おばけのしょうたい) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.925 Zeichen · 145 Bildschirme
諸君よ、ナント迷信の害はここに至りて極まれりといわなければなりますまい。これを黙々に付しおきて、学者や教育者の本分が立つでありましょうか。人はとにあれかくにあれ、余はあくまで迷信退治を一身に任じて、人心の妄雲をはらい去り、真怪の明月を開きあらわし、もって光明の新天地を作り出さんことを日ごろ熱望のあまり、はからずも妖怪研究に着手することになりました。
かくして多年研究の結果、迷信は一片の迷心より起こるは申すまでもなく、迷心は畢竟するに、吉凶禍福の道理に暗きと、世態人情の意のごとくならざるとの二者より起こると考えます。言葉を換えて申さば、知識に乏しきと、意力の弱きとに起因すということであります。すでに迷心は知と意との二者の、不具もしくは病体より起こると知る以上は、これに相応の薬を与えて治療を施さば、たちまち知徳健全の人となりて、安楽の心地に至ることができるに相違ありませぬ。およそ人、ひとたび迷えば必ずその心を苦しめ、いよいよ迷えばますます苦しむは人情の常則なれば、安心の要道はその迷いを去るよりほかにはありませぬ。もし、ひとたびその迷いを去れば、苦境は一変して至楽の天国となり、百難は四散して無憂の世界となる。