Japanische Klassiker mit Furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lesen Sie おばけの正体 (おばけのしょうたい) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.925 Zeichen · 145 Bildschirme
東海線にも三陽線にも起こった出来事にて、一時新聞に見えていたが、夜半過ぎに汽車が進行している間に、向かいの方よりしきりに汽笛を鳴らす音がする(そのときは鉄道がすべて単線であった)。今、汽車の来る時刻でないが、なんの汽笛であるか分からぬけれども、もしや臨時汽車の来たらぬとも限らぬから、衝突を恐れて途中停車した。しかるに、先方より汽車の来る気色さらにない。そこで再び進行して、無事につぎの駅に達したことがある。そのときの評には、「狐が汽笛を鳴らしてだましたのだ。その証拠には、翌朝その線路に、狐が汽車に圧せられて死んでいた」と申した。余の説にては、先方より汽笛の聞こえたのは、決して怪しむに足らぬ。深更になって世間の静まりたるときには風の都合にて、他線路あるいは遠方の汽車より発する汽笛が、わずか数丁離れた所のごとくに聞こゆるものであるから、これを他の汽車の向こうより来たるのと聞き違えたのであろう。その話は西洋にもたびたびあるように聞いている。
ただし、狐が死んでいたなどは話に尾を付けたので当てにならぬ。もし、狐が人をだますために汽笛を鳴らしたものとせんか。