Japanische Klassiker mit Furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lesen Sie おばけの正体 (おばけのしょうたい) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.925 Zeichen · 145 Bildschirme
第三三項 壁間の怪音
つまりその原因は、欅の空洞に熊蜂が巣を作りし所へ、蛇が蜂の子を取らんとてその巣にさわり、無数の蜂が一時に鳴り出だしたる出来事である。ふくろう、みみずくのほかに、かかる樹鳴の正体もあることを注意せねばならぬ。
第三三項 壁間の怪音
右に類似せる話が今一つある。先年、水戸市の士族屋敷の古屋を借りて住んだものがあった。その家は久しく空き家になっておったということだ。この家に引っ越して以来、深夜になると、座敷の床の間の裏に当たりて一種奇怪なる音がする。その音はモーンという声である。もし家の裏手へ回ってみると、座敷の中の方に聞こゆ。よって、家の内か外か分からぬ。いかにも不思議であって、なにか化け物の仕業であろうということになった。その話を聞いて、親類や友達が集まり通夜したことがあるも、みなその音の奇怪なるに驚かぬものはない。しかるに、そのうちの一人が申すには、床の間の壁の中に相違ないから、この壁を破って見ようというも、他の人は恐ろしがりて賛成するものがない。しかし、当人はドウしても見届けたいと思い、その音のする場所を目がけて一刀を差し込んだ。翌日この穴からのぞいて見たれば、床の間の壁と外の壁との間に、一尺ばかりの空所があった。