Japanische Klassiker mit Furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lesen Sie おばけの正体 (おばけのしょうたい) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.925 Zeichen · 145 Bildschirme
第三四項 社林の化け物
その空所へ蜂が大いなる巣を作っていたことが知れ、夜分のモーンという怪音は、その巣に数百の蜂がやどっている所へ、鼠が蜂の子を取らんとてこれに触るると、その蜂がモーンと鳴いて騒ぎ立つる声であった。かく探検をきわめてみれば、なにも不思議でないが、世間普通の人は深く原因をたださずに、化け物の所業とするから妖怪が多くなるのだ。
第三四項 社林の化け物
信州諏訪神社の境内には杉の古木が茂っておる。そのうち、最も古き大木が神木として崇めてある。この木が夏の夜不意に声を発し、夜中境内を通行する人あれば、その木が「オーイ、オーイ」と声をかけて呼び出だす。これを聞くものは化け物なりと思い、恐れて逃げ出すことが、毎夜つづいた。しかるに数日の後、ふとその原因が発覚してみれば、樹の霊でもなく、化け物の所業でもなく、その近傍に住する物ずきものの仕業であった。この者は毎夜暗くなると、その木の洞の中に入りて隠れている。その洞は木の根より四、五尺高い所に口を開き、それより下は全く空所ができているゆえ、その中に入ってかがんでいると、外から全く姿を見ることができぬ。かくして、人の通る足音を聞くごとに「オーイ」