Japanische Klassiker mit Furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lesen Sie おばけの正体 (おばけのしょうたい) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.925 Zeichen · 145 Bildschirme
第五六項 怪物、大道に立つ
と呼びつつ大いそぎに逃げ出して、おのおの自宅へ帰った。その翌年、やはり同様の怪物が首を出したから、そのときはこの化け物を退治してやれという相談になり、総掛かりで退治に取り掛かって見たれば、その村内に乞食をしておる寡婦があって、前日より天井の中に身を隠し、髪を乱し、顔をえどりて、化け物のように装い、人の驚いて逃げ出したる後に、残せる食物を盗み取るためであったそうだ。もし、その事実が発覚せなかったなら、永く大怪物談となって後世に伝わるに相違ない。
第五六項 怪物、大道に立つ
滋賀県愛知郡某村の小学校長が、夜半後に村外の大道を歩いておる間に、恐ろしき大きな顔したる大怪物がその道の真ん中に立ちおるを認め、恐れ恐れ近づき来たるに、ますますその顔が大きく見え、後には手も足も備わっているように見受け、そのときにはもはや恐ろしいこわいの度は通り過ぎて、到底逃るる道なしと考え、このうえはこれと奮闘して死生を決するよりほかなしと思い、奮進して二、三間の所に至れば、怪物の正体はじめて分かって安心したという。その正体は大八車に松の大木を一本載せて引き来たり、夜に入りしために大道にそのまま車をとめおきたるのであった。