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Japanische Klassiker mit Furigana

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おばけのしょうたい

おばけの正体

井上 円了

Lesen Sie おばけの正体 (おばけのしょうたい) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.925 Zeichen · 145 Bildschirme

Aozora Bunko

を予防するがためなりとの言い習わしあり。「だらし」とは一種の妖怪的飢餓病とのみあって、いまだこれを明白に実験したる者あらざりしが、長崎高等学校医学部生徒某氏は自らこれを実験し、また他人がこの怪病にかかるを見たりという。今その話を聞くに、右の学生はこのころ暑中休暇を得て帰村せんとする途次、右の村と小浜村との間なる山中字小田山の頂上、矢筈の下手辻と称する坂道において、一人の男、野に倒れおるを見たり。その男、学生を見るより幽かな声にて、「『だらし』にかかりて困りおるゆえ、搏飯あらば賜れ」という。学生はかねて「だらし」のことを聞きおるをもって、用意の搏飯を与えけるに、男は喜びてこれを食し終われば、間もなく力付きて馳せ下れり。さて、右の学生が実験したるは、その後のことにて、冬季休業のため帰村せんとて、右の山道に来かかりしに、たちまち空腹となり、ひもじさいや増して、身体の疲労尋常ならず。手足しびれてすくみたるがごとく、ちょっとも動けず。強いて足をあぐれば、その重さ千鈎をひくがごとく、手を動かせば、縛られたるに似たり。困じ果てて石に腰打ちかくれば別に苦痛も感ぜざるが、立てば身の重さ少しも減ぜず。