Japanische Klassiker mit Furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lesen Sie おばけの正体 (おばけのしょうたい) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.925 Zeichen · 145 Bildschirme
第八三項 怪獣を生け捕る
第八三項 怪獣を生け捕る
古来、古寺や古屋に妖怪沙汰あるは、貂や鼬の古びたるものが住み、夜中恐ろしき響きを伝え、あるいは暗き所に光りたる目を見せたりするのを見聞し、これに神経が加わり想像が手伝い、風評が高まりして、大怪物談となる。その一例として、先年の『万朝報』雑報に見えたる一節を転載しよう。
徳島県板野郡長岸の観音寺といえるは名代の古寺にて、堂宇は撫養川にのぞみ、これまで本院には大黄鼬の棲息して、まれには人の目にもかかり、また川には大鼇の住み、陸に上がって鳴きしことありしとの怪談などもありしが、このごろに至り、折々堂宇の天井の落つるかと疑うほどの物音の響き、あるいは方丈裏にあたり人の走りしごとき物音のあるなど、不思議のことのみなれば、去る九日の夜、同地にて興行の東京力士、緑川、小岬、小緑、若岬などいえる力自慢の者どもが、妖怪退治に出かけ、庫裏にて回り話に妖怪物語などをなしおりしにぞ。同夜の十二時ごろともおぼしきころ、方丈裏に当たり果たして怪音ありたれば、一同得物を携え本堂の方に至りしに、本堂前の金網戸に眼光炯々、人を射るものあるより、緑川らは妖怪なにほどのことやあると、得物をもって打ちてかかり、本堂の中を追い回しいるうち、ほかに若者数名も駆け集まり、ようようにして生け捕り見れば、その妖怪は一種の獣類に