Japanische Klassiker mit Furigana
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ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
Lesen Sie ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) von 永井 隆 (ながいたかし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.351 Zeichen · 213 Bildschirme
卵のある極を白金針で突くと、それが精虫進入と同じ刺激になるらしく、卵は正常どおり分割を始め、次第に成長して正常のかえるになった。今年はそれをさんしょううおの卵でやっているのだった。それに成功したらなんとかして哺乳類でやってみたいのである。
妻が手おけに井戸水をくんで来た。中にきゅうりと、トマトが浮かんでいた。
中村君は左手にトマトをのせ、右手にきゅうりをにぎり、それを卵と精虫とになぞらえて、くっつけたり離したり、しきりに説明していたが、説明しながらパクリパクリとかじるので、いつしか卵も精虫も胃袋の中へ消えてしまっていた。
妻はいつものように小庭にのぞんだ座敷でシャツに火のしをかけながら、二人の話に耳を傾けていた。不意に中村君が座敷へ声をかけた。
「奥さん、どうやら子供を産むためにはご主人はいらぬらしいですよ」
すると妻は笑いながら答えた。
「そうでしょうかね?──それはそうとしても、夫婦の目的は子供を産むことばかりではございますまい」
中村君はこの答えを聞いてにんまりした。
私は助教授になって月給が百円に上がった。妻はそれでほっとした。やがて子供が小学校へ通うので、四十円では困るところだった。