Japanische Klassiker mit Furigana
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ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
Lesen Sie ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) von 永井 隆 (ながいたかし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.351 Zeichen · 213 Bildschirme
めくら
貧乏を鼻にかけるようじゃ清貧ではなくて濁貧である。濁貧は貧乏を盾にとって社会的責任を避けんとするもので、長者よりなお悪い。
めくら
カヤノがはやり目を誰からかもらってきた。おとといは目をしょぼつかせてこすっていたが、今朝は目やにがたくさん出て目があかなくなってしまった。小屋の中はうすら寒いので、日当たりのいい井戸端へ誠一に手を引かれて行った。にわか目くらだから足もとは至っておぼつかない。瓦やれんがにつまずかねばいいがと、こちらからはらはら見ていると、わざとつまずくのかといいたくなるくらい、いちいち引っかかって倒れそうになる。荒涼たる廃虚を小さい兄に手を引かれてゆく姿を見ていたら、ふっと広東の盲妹を思い出した。
カヤノは井戸端の石に腰かけて、これこれ杉の子起きなさい、を声を張り上げて歌っている。つるべに向かって歌っている。目の前で聞いているものはつるべだとは知らずに歌っている。口を大きくあけて歌いつづけているが、目がありやなしの細いすじになっているので表情は動かない。冷たい石像のようだ。私はあの広東の盲妹を思う、井戸端に腰かけていて、水汲みびとの足音が近づけば歌い始めたあの小さな盲妹を。