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Japanische Klassiker mit Furigana

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ロザリオのくさり

ロザリオの鎖

永井 隆

Lesen Sie ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) von 永井 隆 (ながいたかし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.351 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

死にそこね

左手に持ちかえると、左側の副会長さんが取ろうとする。前面には会計のおばあさんが、猫のごとくねらっている。先生の体面として、まさか風呂敷を背中にかくすわけにもゆかぬ。風呂敷は私の両手の中にあって、今や世界中の罪をみんな集めて包んでおるかのように重くなった。

丸ぼうろを病気見舞いにいただいて、元気だった昔を思い出した。いまは床についたきりなのであんな悪い事もできない。善い事はなおさらできないのである。

死にそこね

「タカシャッポは死にそこねだよ。その頭が、もうひとまわり太かったら、この世の光を見なかったんだ」

新道のお鉄おばさんのところへ行くたびに小母さんは細長く、いびつな私の頭をなでては言うのだった。大学生になってからは頭こそなでなかったが、いびつな私の頭を、こう少し反り身になってつくづく見上げるようにして、

「隆ちゃんも偉いものになったものだねえ。死にそこねだったがなあ、その頭がもうひとまわり太かったらとても生まれて来れなかったものを」

と言った。お鉄おばさんは私が医者になって三年目に亡くなった。亡くなる前に会ったとき、

「死にそこねのあなたから、私の死脈を握ってもらうなんて、まあ人間の寿命はおもしろいもんだ。