Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme

Aozora Bunko

あっちでもきっとお茶を上りたい頃よ」

「行ったっていいけれども――永くなるんで」

「いやな方! なんとかかとか、いつでも駄々ばっかりこねて」

伸子は、冗談に本気を混えて叱った。

「することもないのに、いそがしいなんて口実は通して上げないことよ!」

佃はまだ定った職業はなかった。旅行から帰って後、伸子は二間続きの六畳に二つ机を置いた。彼はその前に窮屈に膝を曲げて坐り、履歴書を書いたり、あちらからのノオトを、漠然と整理したりしているのであった。初め、伸子一人の勉強部屋として作られたそれらの部屋は、縁側つづきだが離れのような工合になっていた。蔵前の広縁と二階の裏階子とで、他の部屋部屋から遮断されていた。袋のようなたった一つの出入口を閉め切ると、前の庭を見晴すだけで、一日人に会わずに暮せた。伸子が佃と t※(サーカムフレックスアクセント付きE小文字)te-※(グレーブアクセント付きA小文字)-t※(サーカムフレックスアクセント付きE小文字)te でいるには、それ故、大層都合のよい構造なのであった。しかし、実際そこで彼と暮すようになって見ると、伸子はその特典を痛し痒しに感じた。