Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme

Aozora Bunko

六

と叫んだ。

「旦那様を放って置いて、そんなことおっしゃる奥様がありますか……一人で置いちゃ第一あぶないじゃありませんか。よく辛抱なさること、うちなんか」

「さあ行きましょうよ、姉さん」

門の方へ出てまでも、三保の盛に喋る声がした。やや暫くして、祖母がさもげんなりしたように云った。

「何だべ、あの女!」

伸子はその調子の滑稽さにつられて笑い出した。――が、普通夫婦と云うものは、本当に三保が云ったようなものなのだろうか。そういう疑念が伸子の心に生じた。彼女は、自分達夫婦が別々に旅行することについて、三保の云うような危険は、全然感じることさえ知らなかった。

伸子は寝ながらもそれを考え、自分に不安や嫉妬を起させない佃の性格を却って物足らず感じた。佃の身持の堅さは、人間の面白さ、愛らしさなどに魅せられることの少いところから来ているように思われたのであった。

六

おとよさんはよく小一里ある町まで買物に出た。彼女はその度、伸子に用を訊いた。伸子は男物の単衣を買って貰った。それを仕立てさせて佃に送った。祖母はおとよさんが出かけると、

「――買物ばかりじゃなかろ、また新町へよる気なごんだ」