Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme

Aozora Bunko

伸子は、そのどちらもが混り合った心なのだと思うのだが、そういう工合に彼女を扱って、彼は、さてどんな生活に二人で達そうと思っているのであろうか。窮極へ行くと、いつも伸子は分らなくなった。口にこそ明かに云えないが、彼女は、自分の達したいと思う生活の核心になるものは感じていた。彼にそれがあるとすれば、感じほど速いものはない。どこからか、必ず、まっすぐ伸子の心にも通じて来て、彼女の失望を救わないと云うことはあるまい。

その証拠には、(伸子は考える、考える)彼が、自分を愛すなどとは唯一言も云わないうち、自分は、彼が愛すのを感じたではないか。――

自分ら二人をわらうように、伸子は、またこうも、この頃は思う折があった。――これらは、みんな自分が勝手に考え、勝手に苦しんでいるだけのことなのだ。彼には、何も複雑なことはないのだ。全く――彼が自分でいう通り、彼には何も無いのだ。

幻滅の痛みを、ますます自分に思い知らそうとするように、伸子は、もっと、もっとたくさん、自分と彼について侮蔑的なことを考えた。しかし、彼女はよく知っている。自分の心はそれを本気にはしていないこと、そして、万一他人がその半分のことでもを彼について自分の耳に囁いたら、そいつと絶交するであろうことを。