Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme

Aozora Bunko

祖母は楽しそうに干菓子をたべながら、何か考えていたが、真面目な顔つきになって呟いた。

「……お前、見たとこ倒れで、丈夫でないかしらて……」

「なぜ? 丈夫よ」

「何して子ができなかろ」

昔ものらしい遠慮なさで、祖母は続けた。

「今の若いものは、嫁入るとすぐ子を産むじゃないか」

「いやあね、どうでもいいわ、そんなこと」

「弱かあるまいかと思うからさ……そう云えば佃さんは顔色がいつもよくないな、佃さんが子種なしであろうかしらて」

伸子は本気になって、

「やめて頂戴、そんな話」

と遮った。彼女はいやで、涙が出そうであった。子の話は、いつ、だれにされるのもいやであった。まして祖母のように、まるで飼牛か何かのように話されては堪らない。いそいで話題をかえようとすると、きよがそばから、一種の笑いを湛えながら、ずっと祖母の方へ頸をのばし、耳の遠い人に物でも云うように、大きな声で云った。

「御隠居様、御心配なさることございませんよ、もうじきお目出度でございますよ――はい」

そして、伸子の方に、いやに心得ているという風な笑いを含んだ横眼を使った。何といやな婆! 厭がるのを知っていながら。