Japanische Klassiker mit Furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme
――お前なんぞは、はたで見ていると、どうしても自分より弱い、卑屈なようなところのある者を選ぶかたむきだね」
伸子は枕の上で仰向き、眼をあいたまま、組合せた手を頭の下にやっていた。
「――そうかしら――私、自分が弱いと思ってよ、例えば佃とのことにしろね、私が、もっと図太く腹を据え切って、あのひとをコントロウルできれば、状態は変るのよ。――あのひとは芯の極く強い――何か、とにかく私の手には負えないところがあるわ」
「そりゃ世間を見ているもの、……お前をどう動かすくらいのことは、ちゃんと心得ているさ」
「私には、底の知れている体裁のいいものを、表面でやりとりして置いて、その間に、ぐんぐんこちらをのして行くというようなことができないんでね。真正面でない心の関係は、私に持ち切れない。それなら、一刀両断な処置をするかといえば、またそうもできず……勝気などころじゃないわ」
「人によって違うもんだね」
多計代は、俄に力をこめた声を出した。
「私なんかだったら、一思いに、思い切っちゃうね、自分を真から愛してくれもしないような者に引きずられて行くなんて、考えただけだって堪らないことだ」