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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme

Aozora Bunko

併し、そう言われると丈太郎は、はじめてその上品な細面をあげました、膝の上に打ち顫う華奢な指先にも、唇に淀む言葉にも、異常な亢奮は隠すべくもありません。

「お園、許してくれ、俺は悪魔とも外道とも、言いようの無い人間になってしまったのだ」

「…………」

予期した言葉ではあるが、丈太郎の口から斯うはっきり言われると、お園は自分の耳を塞ぎ度いような、不思議な衝動に駆られ乍らその後を促すともなく男の顔を見詰めるのでした。

「聞いてくれ、お園、江戸中は言うに及ばず、近在近郷の名刹から、尊い仏体を盗み出したのは、お前が察しの通り、この丈太郎だよ、俺はそれを打ち割ったり、削ったり、昼ともなく、夜ともなく焚いて居る――何んと言う浅ましい事だろう、仏体破却の罪の恐ろしさが、犇々と身を責めさいなむが、因果なことに俺はそれを思い止まる力も無い」

「…………」

お園は戦く胸を抱いて、恐ろしい言葉が紬ぎ出される、男の紅い唇を、魅入られたように見詰めるばかりでした。

「斯うなっては隠しても詮ないことだ、皆んなお前に見せて、何んとか智恵も借りよう、此方へ来るがいい」

丈太郎はフラフラと立ち上って、奥の一と間へお園を導き入れます。