Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme

Aozora Bunko

華やかな晩餐、美しい令嬢

乞食に成り下ってこそ居りますが、二、三年前までは私も最尖端人の一人で、一番贅沢な仕立てのタキシードに驚くような人間ではありません。

すっかり着込んで、大姿見の前に立つと、我乍ら生れ変ったような爽やかさ、陽に焦けて少し色は黒くなって居りますが、スポーツマンらしい健康さが漲って、それもなかなか洒落て居ります。

無精髯を手剃り乍ら剃り落して、伸び過ぎた毛は、何うやら彼うやらチックの力で後ろへ撫で付けて見ると、これも芸術家によくある型になって、なかなか悪くありません。

風呂場の扉を排して外へ出ると、今まで其処に待って居たらしい女中は、

「…………」

躾み深く何んにも言いはしませんが、その眼は驚異と好奇に燃えて居ることは疑いもありません。私は然しそんな事は眼にもかけぬ態度で、

「さア、食堂へ案内せい」

いとも悠然と反り身になりました。

どうせ夢なら、その夢を一番有効に享楽してやろうと言った横着気が頭をもたげると、もう屋敷の名やこの私の名を訊ねて、女中を困惑させることは思い止まってしまったのです。

華やかな晩餐、美しい令嬢

廊下へ出て、大きい階子段を降りて、二た間、三間先の大闥を押すと、中から華やかな笑いと、薔薇色の光が溢れて出ます。