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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme

Aozora Bunko

女を返せ

「妙子さんは大層好い匂いがするんですね」

「あら」

甲上を取った書方を見付けられた小娘のように、極り悪そうにニッコリした妙子を見ると、私はいきなり引き寄せて、その頬の上の真珠色の涙を啜ってやらなければ承知しませんでした。

その涙の甘美な芳醇な味、私はこんなもの経験した事も想像したこともありません。

女を返せ

足跡までも匂うというのは、本当に妙子の事でした、私の喜びと溺愛が、どれほど深いものであったか、想像して下さい。

この恵まれた肉体を装い飾らせる為に、あらゆる美しい着物と、あらゆる贅沢な装身具を、私の財産の許す限り買ってやりました。二人はおしどりのように引っ付いたまま、朝から晩まで、話して、笑って、泣いて、騒いで暮しました。

併し、どんな贅沢なものを着せても、妙子に取っては、結局その恵まれた裸体ほど立派な微妙なものは無かったでしょう。踊り子巽妙子の、均整のとれた四肢と、なだらかな腰と、美しい乳房の膨みと、丸い頸の曲線と、小麦色の滑らかな肌とは、真に比ぶべきものも無い芸術品でした。

神様が造った中の第一番の傑作は、恐らく私の妙子だったでしょう。

支那の褒とか飛燕とか楊貴妃とか言う有名な妖婦は、いくらか妙子に似て居たかも知れませんが、それにしても、妙子の半分ほども、肉体の条件を備えて居たかどうか、私は今でも疑い