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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme

Aozora Bunko

丸茂の怪死嫌疑は礼子に

この女の豊麗な愛の技術の前には、鉄壁も飴の如くにとろけてしまった事でしょう。まして私のような独身の若い男が――。

丸茂の怪死嫌疑は礼子に

翌る朝、ビルディングの八階へ行った私は、先ずその黒山の人間と、物々しい騒ぎに度胆を抜かれて了いました。

「あッ、望月さん、大変な事が起こりました。朝っから何べんお宅へ電話を掛けても、一向訳がわからないんで閉口しました」

というのはあのビルディングの管理者です。

「一体何うしたんです」

「丸茂さんが殺されたんです」

「エッ」

私は人垣を分けて、自分達の部屋へ飛び込みました。

「あッ、入っちゃいかん。コラ」

噛み付くように押し戻す警官へ、

「その方は、この事務所の御主人です。亡くなった丸茂さんの共同経営者です」

早くも私の顔を見付けた社員の一人が、そう言って弁解してくれます。

「何んだ、それでは大事な証人だ、入って下さい」

そう言われなくとも、私はもう惨憺たる部屋の中へ入り込んで居りました。

この惨たらしい光景を、詳しくお話するのは私の主旨ではありません。兎に角、私の共同経営者なる丸茂三郎は、自分の廻転椅子へ腰掛けたまま、何者とも知れぬ犯人に、背後から首筋を刺されて、極めて瞬間的に殺されて居たのです。