Japanische Klassiker mit Furigana
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme
お雪よりは少し年上――多分十九か二十にもなりましょうか、こんな稼業の人間ですから、どうかしたらもう一つ二つ年を食って居るかもわかりません。
眉は、鼻は、眼は――と言った、部分的に詮索立をするような顔ではなく、瓜実型になった細面の全部が、素晴らしい芸術品に見るような、魅力と完成美に輝やいて居ると言った方が宜いでしょう。舞台に立つ人間にしては、大した化粧もせず、殆んど地のままの青春の血を培う頬の色を見ただけでも、その豊艶な生命の匂いに、グイグイ引き付けられるような気がします。
少し笑いを含むと、二つの花片のような唇がほのかに開いて、白い歯並が、チロリと見えます。生命の躍動を思わせるような眼――不思議に原始的な、野の中から拾って来たばかりの黒燿石のような眼の魅力などは、相手が蛇でなくとも、この娘の思うままにされるのを希わない者は無かったでしょう。
娘の左右には、二つの大箱が備えてあります、その一つに、扇を入れて、
「ハッ」
小さい掛け声と共に手を揚げると、三尺ほどの青大将が一匹、扇から白い手首を伝わって、ニョロニョロと娘の首へ、蜀紅錦の肩衣を這い上ります。