Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme
お金は驚いて膝行り下りました。躾みは無くとも、相手の身分は一と目でわかります。
「これ女、苦しゅうない」
お金の方が余っ程苦しいが、斯うなると動くわけに行きません。
酒肴は瞬く間に整えられました。北見之守は大盃を上げて、いとも惚々とお金に見入ります。
文金の高島田、総模様の大振袖、繻珍の帯を結び下げたお金の美しさは、全くたとえようもありません。言い換えると、蛇の滑らかさと、忍冬の匂いと、野の花の美しさを持ったお金は、鬢附け油臭いお側の女どもとは比べものにならなかったのです。
「金と言ったな、可愛がって取らせる、近う参れ」
実に傍若無人、お金の銚子の手、その脂を溶いて桃色羽二重に包んだような手首を握ってグイと引くのです。
「あれーエ」
お金は思わず悲鳴をあげました。この殿様の家来筋の家に生れて、伝統的に屈従を教えられた女なら、この挑戦を光栄にも思ったでしょうが、蛇使いの娘には、そんな躾も礼儀もありません。ただ女そのものの持つ本能的な貞操観念が、野獣のような反抗になって、遮二無二振りちぎろうとさせるのです。
「いや、これは面白い」
殿様になると、こんなピンシャンした女は始めての経験でしょう、夢中になって引き寄せると、