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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme

Aozora Bunko

新奇談クラブ

蔵園宗三郎の話

糶台の上に妻を立たせた

蔵園宗三郎の話

「途方もない話をすると思う人があるかも知れませんが、これは総て私の経験した事実で、寸毫のおまけも無い、癪にさわるほど露骨な物語であります」

第二話を引き受けた若い富豪蔵園宗三郎は、その秀麗な面を挙げて、少し極り悪そうに斯う話し始めました。奇談クラブの集会室、例の真珠色の光の中に、女会長の美しい吉井明子を中心に、贅沢の限りを尽した思い思いの椅子が、十二の花弁のように配置されております。

糶台の上に妻を立たせた

画家の巽九八郎が、金に困って、自分のアトリエで持物全部を競売にしたことがありました。客と言うのは、友達関係を辿った知人全部で、主人の巽が金槌で卓子の上を引っ叩き乍ら糶るのですから、滑稽と言えば滑稽、非惨と言えば悲惨、一寸類の無い観物でした。

私は巽九八郎の友達と言うわけではありませんが、巴里に居る頃二、三度逢った縁故があるのと、巽の旨を受けた友人の勧誘があったので、言わば椋鳥格で行って見ることになりました。

アトリエは高円寺から五、六丁入ったところで、木立の中に赤い屋根か何んか見せた、一寸洒落た構えです。玄関を入ると北向の画室を競売室にして、今丁度始まったばかりというところ、主人の巽九八郎は、踏台か何んかの上に立って、五本の指を櫛にして、乱れかかる長髪を掻き上げ乍ら、一段声を張り上げて、