Japanische Klassiker mit Furigana
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme
サア、幾ら何? 五円、馬鹿にしちゃいけない、展覧会へ行くと、小学生の自由画見たいなのが大枚一千円もする世の中だ――」
斯う言った調子で、一番下等なテキ屋のようにまくし立てるのですから、聴いて居ると全く不愉快になりますが、巽九八郎に取っては、余程一生懸命と見えて、友人達の苦笑などは物の数ともしません。
それでも私はあまり手重でない油絵を二枚ほど落しました。〆て四十六円、まア本当のお附き合いです。
絵の競売がすむと、今度は着物になります。ビロードのルパシカ、巴里仕立てのタキシード、お召の襤袍、そんなところは無事でしたが、お仕舞には、フェルトの帽子、薄汚れたボヘミアンネクタイ、スリッパなどが出るという浅ましい有様、やがて、そんなものを売り尽すと、今度は一と抱えの女物を持ち出して、片っ端から叩き始めました。多分有名な踊り子、巽妙子の身に着いたものでしょう。
申し落しましたが、巽妙子というのは、興行政策上九八郎の妹だと言うことにしてありますが、実は内縁関係の細君だった相で、通な人達は、その変な関係を悉く知って居るものですから、女物が持ち出された時は、さすがに顔を反けたのも二、三人は居りました。