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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme

Aozora Bunko

持ち出した女物は、女一と通りの和服の外に、ジャムパもあれば、ブラウスもあれば、スカーフもあれば、絹のストッキングもあると言った、実に極りの悪い取り合せでしたが、巽九八郎はそれを丹念に叩いてしまって、夕暮近い頃になると家の中には、マット一枚、下駄一足残らないという程度まで、洗いだし売り尽してしまいました。

どんな事に金が要るのかわかりませんが、兎に角巽九八郎の意気込というものは大変です。

客は皆帰りかけて居りました。淡い夕陽は画室の欄間へほんの少しばかり忍び込んで、この惨憺たる有様を照して居りましたが、暫らく台の上に立って、胸筆用をして居た九八郎は、フイと顔をあげて、

「皆さん、少し待って下さい、これ丈けでは私の入用の半分しか金が入らない、もう一つ、最後の品があります、一と目見て行って下さい」

変な事を言い残して、画室から飛び出しましたが、間もなく、大変な騒ぎをやり乍ら、何やら引っ張って来る様子です。

「最後の品はこれだッ、サア、うんと気張って糶って下さい」

開け放した扉から、無理無体に引き摺り込んだのは、何んと言うことでしょう、素肌に薄汚い袷をたった一枚着た、踊り子の巽妙子、――あの妹と称する美しい女です。