Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme

Aozora Bunko

兎に角、妹と称する女を競売にすると言うのは怪しからん事で、出鱈目に於いては人後に落ちない友人達も、此の時ばかりは顔を見合せて、黙ってしまいました。巽をよく知らない道徳的な人達の中には、あまりの事に呆れ返って、コソコソ帰った人も幾人かはあったようです。

併し巽九八郎はそんな事でビクともする男ではありません。

「サテ幾ら、此の女には素晴らしい特長があるんだ、それは買った人の楽しみ、家へ持ち帰って、調べて見て吃驚する――、俺に取っては百万金にも換え難い宝だが、眼玉をくり抜いても売り度い場合だ、眼をつぶって手離す、サア、望み手は無いか」

何んと言う無恥な言い草でしょう。

その上巽九八郎は、女の襟首へ手を掛けて、力尽くで汚ない袷を剥こうとしました。

「アレ――」

と崩折れるのを抱き込むように、

「ジタバタするなよ、売物をお目に掛けるんだ、裸にはなりつけているお前じゃ無いか」

円い肩からふくやかな乳へかけて、美しい小麦色の肌が、塀に映った夕陽の逆光線を受けて、ほんの少しばかり見えると、何んかは知らず、室の中には、野薔薇か丁子の花を振り撒いたような、甘い和かい匂いが籠ります。