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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme

Aozora Bunko

毎日自分の部屋に籠って、黄表紙、青表紙を読み耽り、女だてらに理窟のひとつもわかると、今日の言葉で言えば、だんだん理想が高くなって、婿の口などは、振り向いて見ようともしないのです。

日本橋の呉服問屋の次男、歌舞伎役者のように美しい上、三千両の持参金附でというのがありましたが、桜子は軽蔑し切った様子で、取り合いません。

千五百石取の旗本の弟、学問武芸何一つ暗からぬ人物が、身を落して入婿してもという話もありましたが、桜子は唯頭を振るばかり、

「それではお前、公坊様でも婿にとる気か、女も厄と言えばもう薹が立つ、世間の手前もあることだから、気に入ったのがあったら言って見るが宜い――」

父親の総左衛門は、到頭こんな愚痴まで娘に聞かせて居ります。

「お父様、御免下さいまし。私はお金や学問や武芸を鼻にかける男は、たったそれっ切りのような気がして、どうも心に染みません。世の中には、もう少し深味のある、奥底の知れない殿御は無いもので御座いましょうか」

和漢の物の本などに眼をさらした為でしょう、桜子は何時の間にやら、素晴らしい浪曼主義者になり切って居るのでした。

丁度此の時、桜子の前へ、思いがけない若衆が、申し分の無い神秘的な雰囲気をもたらして現れたのです。